暗号通貨の取引量とは

　　・出来高とは何か？

　　・なぜそれが重要なのか

　　・一般的な出来高指標

　　・ボリュームデータの危険性

　　出来高とは何を意味するのでしょうか。出来高とは、ある暗号通貨が一定期間にどれだけの金額（貨幣単位）で取引されたかを意味します。

　　出来高は価格に対して大きな影響を与えるため、非常に重要なものです。

　　総数量と市場効率

　　ある暗号通貨の総取引量は、その通貨の変動幅と直接的に関係します。前提に、価格が買い手と売り手の需給バランスで成り立っているということを忘れてはいけません。

　　同じ量（取引量）で売買されていれば価格は安定しますが、価格と取引量は需要と供給の作用によって決まります。いわゆる「市場の効率性」です。

　　活発な市場では、多くの取引が行われるため、ボラティリティも低くなります。対して、暗号通貨市場は未熟で、その導入経路が不明確であるため、本質的にボラティリティが高い傾向にあります。市場参加者は、娯楽目的の投資家（ホドラー）、採掘者、投機家、機関投資家などが混在しており、各々が様々な考えや動機を持っていますが、彼らの意識は外部からの影響が大きいです。

　　そのため、ある暗号通貨の取引を検討する場合、取引された総量からその暗号通貨がどの程度変動しやすいかがすぐに分かります。また、取引量の変化から、そのプロジェクトに対する関心度も知ることができます。

　　当たり前のことに思えるかもしれませんが、特定の暗号通貨を取引するためには、その通貨が取引所に上場していることが必要です。取引所は取引するコインを選好できるので、大きな取引所に上場しているかどうかで取引量に大きな差が出ます。

　　例えば、あなたは無名の暗号通貨に関心をもっていて、特定の価格で買いたいとします。しかし、十分な買い手と売り手がいないため、取引可能なオファー（買い）とビッド（売り）の差（スプレッドと呼ばれる）は大きくなります。

　　スプレッドが大きければ大きいほどほど、ボラティリティも高くなります。ちなみに、コインマーケットキャップのようなウェブサイトで提過去の取引量データは確認可能です。

　　これは、コインマーケットキャップで1位のビットコインのデータです

　　これは、500位のショッピングコインの同じ内容のデータです

　　ショッピングコインの1日あたりの取引量は非常に少ないため、取引量が変化すると市場に大きな影響を与えることになります。表示されている取引量は多くの取引所に分散しており、各取引所はショッピングコインを売買したい人にとって非効率的な市場であるといえます。

　　コインマーケットキャップは、各暗号通貨が取引されている取引所の流動性スコアを掲載しており、売買が価格に悪影響を与える可能性を測る指標となります。

　　相対取引量

　　出来高を集計すると、暗号通貨がどのくらい取引されているか、市場がどのくらい活発であるかについての有益な情報を得ることができます。また、相対出来高は、どれだけの出来高が価格の動きと関係しているのかを知るのに役立ちます。

　　取引チャートを使用する場合は、メニューから出来高インジケータを選択します。すると、出来高がバーチャートとして表示されます。

　　出来高の棒グラフの数値は、ローソク足で選択した期間によって変わります。緑色のバーはローソク足の中で価格が上昇していることを示しており、赤色のバーは価格が下落していることを示しています。

　　一般的な出来高指標

　　モメンタム購入量の増加は暗号通貨の価格を上昇させますが、それを継続するためには取引量を維持する必要があります。このように出来高というのは価格の勢いを示す指標として有益なものになり得るのです。

　　出来高が減少している状態で価格が上昇している場合は、暗号通貨の価格の勢いが衰えていると見ることができるので、その後値動きが反転する可能性があります。一方で、出来高が減少しているときに価格が下落した場合も同様に方向転換のシグナルとなる可能性があります。

　　スパイクと枯渇

　　出来高の急増は、どちらかのトレンドに新たな勢いが出たことを意味すると同時に、トレンドの終盤を示すこともあります。出来高が大きく増加するということは、その動きがピークに達したときに出遅れ組が買いを入れることで、売り手がいなくなり取引の動きが終わるということです。

　　オンバランスボリューム

　　オンバランスボリューム（OBV）とは、価格と相関して出来高の変化の影響を示す簡単な尺度のことです。OBVは、任意の数値（100など）からスタートさせ、日々の出来高が増加すれば加算、減少すれば減算するという方法で計算できます。

　　マネーフロー・インデックス(MFI)

　　マネーフロー指数は0～100の範囲で、出来高に基づき買われすぎ売られすぎの。相対力指数と同様、市場が活発化しているかどうかを判断する指標となります。

　　MFIの値が80を超えると、過剰な買いの量による価格の反転を示唆し、20以下では逆に過剰な売りの量と売られすぎの状態を示します。

　　しかし、これらはテクニカル分析で使用される指標のほんの一部であり、多くの指標の中からを選択することはトレーダー最大の難点です。

　　そこで、投資を始めたばかりのトレーダーであれば、流動性およびスリッページに対する評価の一部やモメンタムの補助として出来高を使うのが賢明でしょう。