マイニングで暗号通貨を稼ぐ

　　・マイニングの高度な仕組み

　　・自宅でのDIYマイニングはもはや費用対効果なし

　　・マイニングプールとは何か、どのように選ぶか

　　・ビットコインよりも収益性の高いコインをマイニングするために

　　マイニングとは、ビットコインなどの暗号通貨が新しい取引を確認し、新しいブロックを通じて履歴を記録（ブロックチェーン）追加するプロセスのことです。このプロセスはエネルギーを必要とするため、マイナーは作業の見返りとして、新しく発行された暗号通貨で報酬を得ることができます。では、暗号のマイニングで稼ぐのはどれくらいの容易さなのでしょうか？

　　

　　ビットコインマイニングの仕組み

　　ビットコインのマイニングは、新しいビットコインを生成し、総供給量に追加するプロセスのことです。ただしこれには2100万枚という上限があり、2140年に到達すると予想されています。

　　最初のブロック（Genesisブロック）は2009年1月3日にマイニングされました。それ以来、約10分間隔で新しいブロックがネットワークに追加されています。

　　ブロックをネットワークに公開したマイナーは報酬を受け取ることができ、その額は現在6.25 BTCです。ビットコインの価値の高さを考えると、次のブロックを見出し、報酬を受け取るマイナーになるための競争が激しいのは当然です。

　　次のブロックをネットワークにブロードキャストし、その中に含まれる取引を確認する権利を得るために、マイナーはその計算能力を駆使して複雑な数学的問題を解かなければなりません。

　　このため、ビットコインはProof of Work（PoW）暗号通貨として知られています。これは、マイナーが正しい解を導くために必要な計算を完了したことを証明する必要があるためです。

　　計算自体は無意味ですが、そこに到達するために必要な作業は無意味ではありません。マイナーが不正をしていないことを証明し、単一の事業者がすべてのブロックを発見して、ビットコインの報酬を独り占めすることができないようにしているのです。

　　宝くじに例えると、コンピュータの能力を増やすことは、より多くのチケットを購入するようなものです。正解を見つける確率は上がりますが、その分、電気代がかかります。マイナーが利益を得るには、マイニングに成功したブロックから得られる報酬が、その過程で消費されるエネルギーコストより大きくなければなりません。

　　マイナーはブロックチェーンに追加しようとするブロックに関連する取引手数料も得ますが、それらは6.5 BTC（6.25の間違い？）の報酬に比べればごくわずかです。

　　新しいブロックを確認したマイナーに与えられるビットコインは「コインベースリワード（coinbase reward）」と呼ばれます。（この言葉の使用について、後に同名の暗号通貨取引所がクレームを付けました）。

　　初期のころは、ビットコインは家庭用コンピュータのGPU（汎用プロセッサ）を使ってマイニングすることができました。でも、現在ではマイナーは、ASICと呼ばれる特殊な集積回路を使用しなければなりません。これは、ビットコインマイニングの核となる数学的問題を解決するために、最適化されたコンピューター・プロセッサです。

　　

　　ビットコインのマイニング方法

　　ソロマイニング、つまり自分でGPUやASICを使って新しいビットコインのブロックを見つけることは、もはや利益を生みません。複数のASICを連携させて数週間、数カ月、あるいはそれ以上の時間をかけても、新しいブロックを発見できない可能性があります。また、ASICは電力を大量消費するため、探している間に高額な電気代がかかってしまいます。

　　この問題を解決し、できるだけ多くの人がマイニングに参加できるように、ビットコイナーはマイニングプールを作りました。これは、マイナーのグループがハッシュパワー（コンピュータの処理能力の総和）を結集して、一緒に新しいブロックを探すというものです。

　　プール内のマイナーの誰かが発見に成功した場合、コインベースの報酬はハッシュパワーに比例してプールメンバー全員に分配されます。

　　例えば、あなたがハッシュパワーの5%をプールに提供し、プールが新しいブロックを発見した場合、あなたはリワードの5%（プール手数料を除く）、0.3125 BTCを報酬として受け取ります。

　　簡単なように聞こえますが、そんなに簡単ならみんなやっています。実は、暗号通貨のマイニングで利益を得るのは非常に難しいのです。

　　ハードウェアや電気代を考慮すると、プールから得られる報酬は諸経費で消費される可能性があります。そのため、世界のビットコインマイニングセンターのほとんどは、電力が安価で豊富な再生可能エネルギー源の近くに設置されています。

　　水力発電のダムやソーラーパネルを自分で所有していない限り、ビットコインをマイニングして利益を得ることは難しいでしょう。しかし、ASICができるだけ効率的に動作するように、セットアップを最適化する必要があるのは確かです。

　　プロのマイナーは、マシンをオーバークロックして、メーカーが推奨する設定値よりも高いパフォーマンスで動作させます。この場合、マイニング機がオーバーヒートしないようにしなければなりません。1つの問題を解決したら冷却する必要が生じ、さらに多くのエネルギーを消費することになるのです。

　　暗号通貨をマイニングすることを決めたら、リグを設置する適切な（涼しく、通気性がよく、ノイズによる苦情を防止するために断熱または隔離されている）場所を見つけ、自分のニーズと予算に合ったASICを選択する必要があります。これが完了し、マイニングギアが届いたら、どのマイニングプールに参加するかを検討することになります。

　　

　　ビットコインのマイニングプールを選択する

　　マイニングプールを選ぶには、単純なロジックが必要です。ハッシュパワーの観点から、プールの規模が大きければ大きいほど、より定期的にブロックを見つけることができるのです。これにより、安定した収益が確保されます。

　　しかし、あなたがプールに供給するハッシュパワーは小さいため、コインベース報酬の分け前はごくわずかなものになります。小規模のプールに参加すれば、報酬の取り分は多くなりますが、プールが発見するブロックの数が少なくなるため、支払いの頻度は少なくなります。

　　また、より技術的な検討も必要です。DIY（自作）の場合は、データを共有するためにプールにピング（ping）を打つ際に、低遅延で高速なインターネット回線が必要になります。

　　データの受信に遅れが生じると、次のブロックの解決策を探すのに貴重な時間を浪費することになります。理想的には200ms以下、可能な限りゼロに近いPing遅延にする必要があるのです。

　　プールによって手数料が異なるので、これも考慮する必要があります。また、支払い頻度も確認しておきましょう。プールによっては、予定された日にしか支払われない場合や、ウォレットに最低額のビットコインが貯まった時点で支払いが行われる場合もあります。

　　マイナーの報酬を分配されるまで保管するプールも、ハッキングされたり資金をホールドされたりするリスクがあります。自分のウォレットに直接支払われるプールを選ぶとよいでしょう。

　　最後に考えるべきは、マイニングプールに投資することの機会コストです。関係するリスクを調整した場合、他に同等以上の収益率を得る方法があるかどうか。

　　

　　マイニングホスティングサービスを利用する

　　より良い方法は、マイニングリグをホストしてくれるサービスを利用することでしょう。マシンと電気代はかかりますが、それ以外はすべてお任せです。ダッシュボードでROI（投資利益率）を見ることができ、損益分岐点を計算することもできます。以下はCompass Miningの例です。

　　ビットコインマイニングホスティングサービスを利用する際の流れをまとめます（上記ツイートを参考に）。

　　・マイニングリグを購入する。これらは供給が不足しており、価格は約9,000ドルである。

　　・マイナーのホスティング先を選び、電気代（この例では月250ドル）を支払う。

　　・ブロック報酬と取引手数料からの収益を監視するためプールに接続し、それらを受け取るためにウォレットを設定する。

　　

　　マイニングに最適な暗号通貨の選択

　　これまでビットコインを中心に説明してきましたが、Proof of Workのコンセンサスメカニズムで使用できる暗号通貨は何百種類もあり、マイニングが可能です。

　　WhatToMineなどの比較サイトでは、ハッシュパワー、ASICの種類、ネットワークの難易度や市場価格などいくつかの要素に基づいて比較し、最も収益性の高いコインを決めることができます。

　　ビットコインのハッシュレートが他のPoW暗号通貨より何倍も高いのは、最も価値のある暗号通貨であり、それゆえ最も望ましい通貨だからです。Monero、Bitcoin Cash、Ethereum Classicなどの代替暗号通貨をマイニングした方が、より多くのブロックを発見でき、より多くの報酬を得られる可能性があります。

　　PoWコインの収益性は変化する可能性があるため、1つの暗号通貨のマイニングに縛られる必要はありません。経験を積めば、収益を最大化するために別の暗号通貨に切り替えることができるようになります。

　　他の投資と同じように、あなたは上昇傾向を求めています。暗号通貨が過小評価されている場合、あるいは確立途上の場合は、大幅に評価が上昇する可能性のある資産のマイニング報酬を得ることができます。そのための最初のステップは、ファンダメンタルズ分析です。

　　

　　暗号通貨はマイニングすべき？

　　もしあなたが技術オタクで、実際に手を動かして物事の仕組みを学ぶのが好きなら、暗号通貨のマイニングはやりがいがあるはずです。自分でビットコインマイニングリグをセットアップすれば、何百時間かけてチュートリアルや教科書を読むよりも、暗号について多くのことを学べます。

　　知識の面からも、マイニングは一見の価値があります。単にマイニングで受動的な収入を得たいだけで、技術的なチャレンジに魅力を感じていない場合は、苦労する可能性が高くなります。

　　マイニングは頻繁に監視とメンテナンスが必要な上、一般ユーザーにはほとんど利益が出ません。そのため、マイニングは経済規模を活用できる専門業者によって、ほとんどコモディティ化されています。

　　マイニングが採算に合うかどうか分からない場合は、電気代と提案されているハードウェアを比較できるオンラインツールを使ってみましょう。そうすることで、どの程度の利益が得られるかが分かります。これにより、マイニングで暗号通貨を稼ぐことが自分にとって正しいかどうかを判断できるようになるのです。