フォーク

　　フォークとは？

　　・ビットコインが変更に同意した経緯

　　・全員参加型

　　・フォークで起こること

　　・フォーク状態の仮想通貨（暗号資産）の所有者に対する影響

　　

　　クリプト・フォークとは何か？

　　モバイルバンクのアプリケーションからアップデートをダウンロードしてくださいという通知を受け取りますね、バグの修正、改良、新機能が追加された場合です。

　　このタイプのアップデートはあまり問題になりません、変更について貴方が影響を及ぼすことが無いからです。もしバークレイズの最新のアップデートを拒否すれば、セキュリティー上の問題にぶつかるか、アプリケーションが作動しなくなるだけです。

　　ですが、仮想通貨（暗号資産）をアップデートする場合はそう簡単ではありません。銀行のアプリケーションとは対照的に、ビットコイン（BTC）のような仮想通貨（暗号資産）はオープンソースで非中央集権型ですから、決定権者がいないのです。

　　オープンソースとは文字通り、誰でもコンピューターコードを合法的にコピーし、変更を加えて作り変えることができると言うことです。

　　これは、ビットコインに合意の無い変更が提示された場合、誰かがフォークを作って文字通りプロジェクトを新しい方向に換えてしまおうとするリスクが常時あるわけです。

　　基本的に、フォークはブロックチェーンのデザインと機能の向上に関し合意が形成されなかった際に起こります。ブロックチェーンのデザインが二つに分岐します、分岐点に出会い、片方の道を選ぶときのように、ノードとマイナーはどちらかを選択する必要があります。

　　似ているのは、例えば音楽の方向性が違いから、お気に入りのバンドが解散し、二つのグループが生まれる場合です。

　　バンドそれぞれの役割が異なるように、仮想通貨（暗号通貨）も同じです。彼らに会って見ましょう

　　

　　ビットコインとは

　　ビットコインのエコシステムには4種類の登場人物がいます。彼らはお互いに排他的ではなく、役割が2つ以上オーバーラップしています。

　　開発者

　　マイナー

　　フルノードオペレーター

　　ライトノードユーザー

　　

　　開発者

　　ソフトウエア開発者はビットコインを作成、維持、アップグレードする役割を負っています。リファレンスコードは、多くの機能を組み込み、ビットコインコアと呼ばれています。

　　ビットコインのコア開発者はコミュニティにおいて信頼され尊敬される存在ですが、万能と言うわけではありません。

　　正式なプロセスを踏めば、開発者は誰でも変更を提案し貢献することができます。このBitcoin Iｍprovement Proposal (以下ＢＩＰsと呼びます)はコミュニティで議論され、組み込みには大多数の合意が必要です。これは要するに、大きなもしくは賛否両論ある変更ほど、合意形成は困難と言うことです。

　　意見が一致すれば、ＢＩＰsはビットコインに実装され、ビットコインは調整した状態で継続します。合意形成されない場合は、フォークの可能性が生まれます。BIPを組み込む上で合意を必要とする最大のユーザーグループはマイナーです。

　　マイナー

　　マイナーはシステムに欠かせない存在です。取引を承認し、ブロックチェーンにブロックを追加する責任を負っており、成功報酬として決められた数のビットコインを受け取ります。

　　マイナーが権限全てを握っていると言っても非論理的ではありません。つまりは、マイナーは取引を処理しネットワークを守る役割を負っているのです。

　　例えば、成功報酬のブロックを得る目的でコードに勝手な変更を加えようとするかもしれませんが、これではユーザー（開発者も）のほとんどが納得できないので採用される見込みはほとんどありません。実際には、マイナーの権限は限られていて、彼らの決定の動機はお金です。

　　

　　フルノードオペレーター

　　誰でもフルノードになることができます。全世界に5万人位いるだろうと予測している人もいます。フルノードは、ビットコイン内の取引全てのコピー—フルブロックチェーン-を保有しています。

　　彼らはまた、チェーンに追加された新しいブロックの信頼性を検証します。例えば、マイナーがルールを破り、無効な取引を行おうとしてもフルノードがそのブロックを拒絶することで、マイナーは成功報酬を失うことになるでしょう。

　　フルノードが以下に説明する軽量ノードや、ビットコインネットワーク全体を作動させることは間違いありません。

　　フルノードになれば、端末に全履歴が残っていますから、ブロックチェーンのデータに素早くアクセスすることが可能になります。取引所のほとんどもフルノードを運用しています。これには大変な財政的負担がかかっています。

　　フルノードがネットワークで力を行使することはありませんが、無力というわけではありません。究極的には、フルノードの大多数を採用すれば、アップグレードの成功を決定付けることになります。なぜなら、フルノード数はビットコインエコシステムの増加と相関関係があるからです。

　　

　　ライトノードユーザー

　　ライトノードユーザーはフルノードを参照し、取引を送信、検証しますが、ブロックチェーン全体を保存する必要はありません。軽量ノードのほとんどがビットコインウォレットか単純なアプリケーションです。

　　ビットコインユーザーの大多数が軽量ノードです。ネットワーク管理に直接的な影響を与えることはありませんが、数が膨大なので、ただ換金するだけでなく、決定にはお互いの最善の利益を念頭に置いていることが保証されています。

　　双方の力は、主に私利私欲によって抑制されています。しかし、これはそれぞれが合意できると言うわけではありません。極端なケースでは、合意が形成されない場合、ネットワークを分岐させるフォークの誕生につながります。

　　

　　ソフトフォークとハードフォーク

　　コード変更の全てがフォークを必要とするわけではありませんが、根本的ルールの変更に関してはフォークが避けられないでしょう。

　　フォークにはソフトフォークとハードフォークの二種類があります。

　　

　　ソフトフォークとは何か？

　　ソフトフォークとは旧バージョンのルールを変更しないコードの変更です。つまり、旧バージョンと新バージョンのソフトウェアが互いを依然として認識し、語り合うことが出来ます。同じネットワークで分岐無しで動いているのです。

　　ビットコインのセグウィットと呼ばれる改変がこの例になります。ブロックチェーンのブロックの最大サイズを制限していたルールを変更しないで取引を最適化しました。

　　

　　ハードフォークフォークとは何か？

　　一方、ハードフォークは旧バージョンとの間に互換性がありません。変更を実装するための合意が形成されなかった時、またはバグが見つかり変更が必要になった時ハードフォークが生じます。イーサリアムが良い例です。

　　旧バージョンのソフトを動かしている人は、新ルールが認識されないので、同じネットワークに留まることが出来ません。これは、ネットワークが作動しなくなったのではなく、これ以降旧ルールのネットワークと、アップデートしたネットワークの、2つが並行して存在するということです。

　　これで、1つのネットワークが、道路の分岐点のように分かれます。どちらの路を選ぶかは、マイナー、所有者、取引所、投資家など、仮想通貨（暗号資産)参加者の決断次第です。

　　その後生じる事象は、コミュニティとそもそもハードフォークが生じた原因によるところが大きいのです。

　　

　　シナリオ1:合意形成を得た改良

　　コミュニティ全員のソフトに変更やアップデートが加わりました。旧ネットワークは消えたので、終了です。

　　変更が致命的なバグや、もしくは改良がコミュニティ全員に有益な場合このシナリオが働きます。2019年のEOSプロトコルによるアップグレードがこの例になります。しかし、フォーク全てがスムーズに起こるわけではありません。

　　

　　シナリオ2:不合意と議論後の分岐

　　変更や改良にコミュニティが合意できず分かれた場合、双方に勢力、つまり人数が多ければ、変更が実装された場合、ネットワークは２つに分かれます。これは、2017年にビットコインが分岐した際におきたことです。

　　この時ビットコインは、大幅な取引の混乱を経験し、コミュニティはこの問題を解決するために分断されました。論争に火が着き何ヶ月も続きました。この結果、コミュニティは2つの派閥に分かれることになりました。言ってみれば、最も初期の部族主義です。

　　マイナー数人と著名なコミュニティメンバーから成る一派はビットコインコアチームから提案された多数派の解決案に不服だったため、独自の変更をコードに加えフォークしました。こうして新しい通貨が産まれたのです。この不和により、一対一の割合で、流通するビットコインののクローンが造られました。つまり、分岐前にビットコイン10枚持っていたら、同じビットコイン(BTC)10枚にビットコインキャッシュ(BCH)10枚が増えることになります。

　　ビットコインキャッシュの価値は当初はビットコインの端数に過ぎませんが、BTCとBCHの合計額はオリジナルの価格より高くなりました。結果、“フリーマネー”が産まれたと、多くの人が考えました。これに触発され、数々のプロジェクトが同じ路を辿ろうとしましたが、成功度は異なります。

　　

　　シナリオ3:計画分岐

　　はじめから新しい仮想通貨(暗号資産)を造ろうとするフォークもあります。円満な離婚のように、分岐後の2つの仮想通貨(暗号資産)は、異なる特徴やゴール、理想を掲げて完全に独立して成長します。

　　ビットコインキャッシュの成功後、ハードフォーキングがネットワークを構築する目的となったことは知っておくべきでしょう。合法的で現在も存続しているものもあれば、実験的で、その機に乗じて“フリーマネー”を稼ごうと計画されたものもありました。様々な理由で、活動が停滞したり、起動しなかったビットコインフォークの例もあります。

　　

　　アルトコインと著名なビットコインフォーク

　　このような分岐は、ビットコインマキシマリストと仮想通貨(暗号資産)コミュニティでは呼ばれている原理主義者に批判されましたが、以下に述べるように、フォーキングはビットコインの特徴そのものなのです。また、2011年以降新種の仮想通貨(暗号資産)が登場し始めました。当初、プロジェクトはビットコインのコードベースをフォークすることから始まりました。

　　現存するネットワークを必ずしも分岐させるのではなく、ビットコインのある面を微調整するかたちで、オリジナルのデザインを大幅に変えることではありませんでした。これは、“アルトコイン”と名付けられ、現在ではビットコイン以外の仮想通貨(暗号資産)の総称です。そのようなフォークの第一号は、ライトコイン(LTC)です。名前は作成者のチャーリー・リーから由来し、デジタルゴールド(ビットコイン)に対するデジタルシルバーとしてデザインされました。

　　現在、仮想通貨(暗号資産)の中で、ライトコインの時価総額は第五位となっています。ビットコインゴールド、ビットコインダイアモンド、スーパービットコイン、ビットコインアトム、等などプロジェクトがこの先例に従いました。しかし、成功を収めたプロジェクトは限られていました。しかし、フォークは良し悪し両面の効果を持ちます。皮肉にも、ビットコインキャッシュそのものが2018年、議論を呼ぶハードフォークに見舞われ、提唱者で賛否両論を呼ぶクレイグ・ライトがBCHのコアチームと仲間割れし分岐しました。これがビットコインSV(BSV)につながりました。ビットコインだけでなく、イーサリアムやリップルなどの仮想通貨(暗号資産)から、文字通り何百ものフォークやフォークのフォークが生まれており、増え続けています。

　　

　　ビットコインマキシマリズムとビットコインを超えるもの

　　こうして部族主義に戻ります。グループを作り、互いにの肩を持ち合い他のグループと戦うのは人間の性質です。

　　家族間の確執、フットボールチームや敵国に対してなど、あらゆるスケールで見られる現象であって、仮想通貨も違いはありません。おそらくクリプトコミュニティで最初の例だと思いますが、ビットコインマキシマリストがこの部族の１つに当てはまるでしょう。

　　マキシマリスト(単に“マキシ”とも呼ぶ)に正式な定義はありませんが、ビットコインのみが仮想通貨(暗号資産)であり、その他は否定する人たちを一般的に表す言葉です。マキシマリストは他の通貨の価値を認めず、ビットコインのコア原理を福音と考えています。もちろん、表現の仕方に微妙な差はありますが、それは更に極端な意見です。

　　耐えられない人たちは、ツイッター、テレグラム、ビットコインフォーラムのような主要なクリプトチャンネルで論争を繰り広げています。このような行為は、仮想通貨(暗号資産)にプラスにはなりませんが、これが人間の特徴です。実のところ、ビットコインはコピー、改良され、新たな実験結果を生み出し、そこから成長して私達が未だに考えてもいなかった問題を解決するようデサインされました。

　　他の仮想通貨(暗号資産)が、ビットコインに改良を加えたり、欠点を修正することでビットコインに敬意を払うのを止めるものでもありません。仮想通貨(暗号資産)は、お金と物事の金融的側面を表しましたが、その技術は無限で、幅広い範囲の使用に役立つものです。