ウクライナ政府　現地仮想通貨企業に財務情報や取引明細を要求

　　Helen Partz

　　2023年08月02日 13:20

　　ウクライナ政府 現地仮想通貨企業に財務情報や取引明細を要求

　　ウクライナ政府は最近、地元の仮想通貨業界に対し、特定の財務情報の提供を要請した。

　　ウクライナ国立銀行（NBU）は、クーナ（Kuna）、コインペイ（CoinPay）、GEOペイ（GEO Pay）、Qモール（Qmall）といった地元の4つの仮想通貨企業に対し、2023年前半期についての財務諸表を提出するよう求めている。NBUは、これらの仮想通貨企業に7日以内に財務諸表を提出するよう要請した。

　　クーナの創業者兼CEOのミハイル・チョバニャン氏は7月3日、ウクライナのTelegramニュースチャンネル「Politics of the country」で配布された文書を引用し、NBUからの最新の要請について報告した。

　　その文書によれば、NBUはまた、仮想通貨企業に対し、取引量や資金の受け取りと送金に関する情報を提供するよう求めている。さらに、ウクライナの仮想通貨企業に対し、2023年の初めからすべての口座についての取引明細を発行するよう要請している。チョバニャン氏はその後、自身のTelegramチャンネルでこのニュースを確認し、NBUからの最新の行動の理由が不明であるとしている。

　　「ウクライナにはそのような情報はなく、これまでにもなかった」とチョバニャン氏は主張し、クーナの設立前の2015年に検索を行った結果、そのような情報は見つからなかったと付け加えた。「いわゆる」政府の方向性は明確だとチョバニャン氏は述べ、「過去2週間で、キエフやウクライナ全土で取引所に対する最初の一連の捜索が行われた。これはNBU、内務省、ウクライナ保安局の行動に引き金を引かれたものだ。さらに捜索が行われるだろう」と語った。

　　チョバニャン氏は、クーナが2023年3月にNBUの「略奪的な行動」を理由にウクライナのB2C市場から撤退したことをコインテレグラフに伝えた。「彼らは私の国の仮想通貨やWeb3領域の潜在能力を殺すことに関しては非常に一貫している」とチョバニャン氏は語り、クーナの取引量が過去数ヶ月で90%減少したことを指摘した。以前、クーナは2022年2月24日以降にロシア市場から撤退しなければならなかった際に、取引量の約60%を失ったと同氏はコインテレグラフに語った。

　　ウクライナ当局が仮想通貨業界に対してより敵対的になっていると言われているが、チョバニャン氏は政府からの最近の行動に一定の利点を見出している。「今、私たちはヨーロッパ、特にB2B市場に注力している」と彼は述べ、最近クーナが仮想通貨取得サービスのクーナペイを立ち上げたことを付け加えた。「私たちがこのサービスをウクライナで立ち上げることを恐れているのかどうかはわからない」とチョバニャン氏は語った。

　　「私は、NBUが私をウクライナのニッチなプレイヤーではなく、成功したヨーロッパの企業にするきっかけを与えてくれたことに感謝している」と彼は付け加えた。