アルトマン氏のワールドコイン財団、プロジェクトエコシステム向けトークンを発表｜人間とボットを区別

　　Ezra Reguerra

　　2023年07月24日 17:12

　　アルトマン氏のワールドコイン財団、プロジェクトエコシステム向けトークンを発表｜人間とボットを区別

　　OpenAIのCEOであるサム・アルマン氏が共同で創設したワールドコイン（Worldcoin：WLD）財団は、プロジェクトのエコシステム内で使用されるトークンを7月24日に発表した。

　　このプロジェクトに対する評価は仮想通貨界からシリコンバレーまで、意見が分かれている。一部はプロジェクトの野心を賞賛する一方で、他の人々は「気味の悪い」「ディストピア的だ」と評している。こうした意見が出る中で、プロジェクトは所得格差の解消とオンラインでの本人確認の目標を追求している。

　　このプロジェクトは2023年3月14日に初めて発表され、ソフトウェア開発キット（SDK）の待機リストと共に公開された。利用者に固有の「ワールドID」を付与し、データ提供の対価として仮想通貨を発行する。ワールドIDはユーザーが自分の携帯電話内に保存できるグローバルなデジタルパスポートとして機能する。また、プロジェクトは、ユーザーが自分自身がロボットではない証明を提供することができ、電話番号のようなさまざまなウェブサイトに個人情報を提供する必要がないと主張している。

　　5月8日には、認証された人向けのガスフリー（手数料無料）の仮想通貨ウォレットがリリースされた。これにより、ユーザーはワールドIDへ登録することで、ガスフリーの送金を利用することができた。登録時には、電話番号または虹彩スキャンを提供する。

　　開発者によると、プロジェクトはユーザーから提供されたデータを保存しない。ユーザーが人間であることを証明するためのゼロ知識証明を生成し、この証明を生成するためのデータは明らかにされないという。

　　ローンチに先立ち、仮想通貨取引所のバイナンスはプラットフォームにトークンを上場すると発表した。

　　一方、ブロックチェーンセキュリティ企業のペックシールドは、偽のワールドコイントークンがすでにラグプルを実行したことを検出した。

　　多くの人々がプロジェクトを支持している一方、さまざまなコミュニティメンバーがワールドコインに反対している。元TwitterのCEOでビットコイン支持者のジャック・ドーシー氏はツイートで「いかなる時も、企業や国家が全世界の金融システムの一部を所有するべきではない」と主張した。

　　プロジェクトは7月14日にワールドIDプロジェクトへの登録者が200万人を超えたことを記録した。トークンローンチ時、アルトマン氏はこの数字を20億人にすることを望んでいるとツイートした。

　　5月25日には、プロジェクトは分散型識別システムと仮想通貨ウォレット「World App」のサポートのために1億1500万ドルを確保した。チームは人工知能技術の台頭を利用して、「分散型でプライバシーを保護するソリューション」を提案し、人々がオンラインでの自身の存在を確立し、自身のアイデンティティをコントロールできるようにすると述べている。