SECとバイナンスUS　バイナンス関係者の資産アクセス制限で合意

　　バイナンス、バイナンスUS、および米証券取引委員会（SEC）は6月16日の金曜日の遅い時間に、バイナンスUSの従業員のみに顧客資金へのアクセスを一時的に制限することで合意したと報じられた。

　　報告によると、この合意は連邦裁判官の承認待ちの段階だが、バイナンスUSがバイナンス・ホールディングスの幹部からのウォレット、ハードウェアウォレット、またはバイナンスUSのAmazon Webサービスツールへのルートアクセスへの任意のアクセスを防止する措置をまとめたものだ。また、バイナンスUSは今後数週間で、事業費用に関する包括的な情報を開示する予定だ。

　　提案された合意案は、証券関連の告発に関連する進行中の法的手続きの間、バイナンスUSの全資産を凍結することを目指してSECが提出した申し立てを受けて浮上してきたものだ。SEC側は、TRO（一時的な制裁命令）が認可されなければ、資金が海外に移されたり、重要な記録が故意に破棄される可能性があると懸念を表明していた。

　　しかし、バイナンスUSの法律代理人は、この考え方に強く反対し、すべての資産に完全な凍結を課すことは、基本的には会社に対する過度に厳しい措置であり、「死刑」を適用することと同等だと主張した。

　　今週初めに開かれた公聴会で、コロンビア特別区地方裁判所でこの訴訟を担当するエイミー・バーマン・ジャクソン判事は、当事者たちに対し、裁判所命令を待つよりも、両者で協議するべきであると助言した。同判事は、一時的な命令は2週間という限られた期間しか持続しないことを強調し、これはすでに提出された大量の証拠品、すなわち4000ページを超える文書の包括的かつ徹底的な審査には不十分であると指摘した。

　　提案された合意には、バイナンスUSが新しい仮想通貨ウォレットを作成し、それがグローバルな取引所の方であるバイナンスの従業員からはアクセスできないという追加の規定も含まれている。さらに、バイナンスUSは、SECへの追加情報提供と、加速された情報開示スケジュールへの合意を約束している。特筆すべきは、米国を拠点とする顧客は、この期間中も資金を出金することができる。

　　承認されれば、提案された合意は、SECの懸念を部分的に解消し、より広範な訴訟が進行する間もそれを守り続ける。今月、SECはバイナンスとバイナンスUSを、未登録証券の取引、資金の混合、不適切な行為の疑いで訴えている。

　　翻訳・編集 コインテレグラフジャパン