破綻した仮想通貨ヘッジファンドが保有していたNFTをオークション、サザビーズが実施

　　Turner Wright

　　2023年04月20日 16:21

　　破綻した仮想通貨ヘッジファンドが保有していたNFTをオークション、サザビーズが実施

　　サザビーズのオークションハウスは、破綻した仮想通貨ヘッジファンド「スリー・アローズ・キャピタル（3AC）」の一部として形成されたデジタルアートコレクションを売却すると発表した。

　　4月19日の発表によれば、サザビーズは、2021年に3ACのデジタルポートフォリオの一部として組み立てられた非代替性トークン（NFT）アートワークをオークションにかける。サザビーズのデジタルアート部門責任者であるマイケル・ブハンナ氏によれば、「最高品質で最も希少な作品」の一部である「grails」コレクションに含まれる7つのNFTからオークションを開始する予定だ。

　　サザビーズがオークションにかける作品には、Larva LabsのCryptoPunk＃6649やAutoglyph＃187、およびDmitri Cherniakの作品「The Golden Goose」が含まれる。後者は、2021年8月に3ACの共同創設者であるスー・チュー氏とカイル・デイビス氏によって購入された。彼らは当時、その作品に対して1,800ETH（当時約580万ドル）を支払った。

　　スリー・アローズは、2022年の市場崩壊の中で破綻した仮想通貨ヘッジファンドだ。その企業整理の一環として、アドバイザリー会社Teneoは2月、3ACのデジタルコレクションを売却する計画を立ていた。

　　「当初から、スリー・アローズ・キャピタルの共同清算人は、会社の資産を特定し回収するための徹底的なプロセスを実施している」と、Teneoはコインテレグラフに回答している。「この広範囲なNFTコレクションの販売でサザビーズのデジタルアートチームと提携することを選んだのは、彼らが全ての債権者に代わってこれらの資産の価値を最大限に引き出す最高水準のアプローチを提供すると信じているからである」。

　　デイビス氏とシュー氏の所在は、3ACの破綻以降、ほとんど分かっていない。ただし、この2人の共同創設者は、デイビス氏が召喚状に応じないことで米裁判所で法定部助剤に問われるリスクがあるにもかかわらず、ソーシャルメディアのチャンネル上で活動を続けている。4月には、この2人は新しい仮想通貨プロジェクトであるOpen Exchangeの立ち上げを支援した。

　　サザビーズは、2021年に多くの作品が何百万ドルもの価格で取引される中、デジタルアート作品とNFT用の専用マーケットプレイスを立ち上げた最初の大手オークションハウスの一つだった。プラットフォームに掲載された作品の中には、ツイッター元CEOのジャック・ドーシー氏の最初のツイートのNFTや、多くのCryptoPunks、そして「メタバース」という言葉を生み出した本（『スノークラッシュ』）のオリジナル原稿が含まれていた。