分散型金融(DeFi)アプリケーションのFrax Financeは、イーサリアムの次のアップグレード「シャンハイ(Shanghai)」が迫り、LSD(Liqui ...
分散型金融(DeFi)アプリケーションのFrax Financeは、イーサリアムの次のアップグレード「シャンハイ(Shanghai)」が迫り、LSD(Liquid Staking derivatives)が加熱する中、その強力な商品群によって投資家の支持を集めている。
Fraxプロトコルは、ステーブルコインのFRAXとガバナンストークンであるFrax Share(FXS)の2つのトークンからなる。FRAXは、その時価総額を維持するためのFXSの定期的な売買と並行して、USDコイン(USDC)で部分的に担保されることによって米ドルとのペッグが維持されている。
10月に発売されたFRAXのステーキングされたイーサリアムの商品は資金を集めている。ユーザーはイーサリアム(ETH)を入金し、ETHと1対1で裏付けされたトークン、Frax ETH(frxETH)を受け取る。このfrxETHは、他のDeFiアプリケーションやDEX(分散型取引所)のカーブの流動性プールで自由に取引したり、ステークすることが可能で、現在ステーカーは最大で年率10%の収益を得ている。
1月17日の記事執筆時点で、frxETHの総額は1億ドル(約128億円)超であることが、DeFiLlamaのデータからわかった。これは1月に入ってから5000万ドル(約64億円)近く、11月からは4倍近く跳ね上がったことになる。
FraxのfrxETH製品は、この数カ月で何倍にも成長した。(DeFiLlama)
Fraxは現在、プラットフォーム上でETHを利用するユーザーに対し、年率6%から10%以上のリターンを提供している。これらの報酬は、ユーザーがトークンをステークする流動性プールに応じて、カーブダオトークン(CRV)、FRAX、FXSで支払われる。
一方、預かり資産(TVL)で最大のDeFiアプリケーションであるLidoは、ユーザーに5.2%の利回りにとどまっている。
Fraxのイーサリアムプールへ資金が引き寄せられた結果、FRAXとFXSの需要をもたらし、後者の価格はCoinGeckoによると過去1週間で62%以上上昇した。そして、一部の流動性プールはFXSで支払いを行うため、価格上昇は理論的にはステーカーの報酬が上がることを意味し、その結果、Fraxに向かうETHが増え、ユーザーの間でFraxのトークンに対する需要がさらに高まる可能性がある。
一部のオブザーバーによると、Fraxの保有するCRVとコンベックストークン(CVX)は、一部のステーカーに非常に大きなリターンをもたらしているという。
暗号資産ファンドのノースロック(North Rock)のパートナーであるハル・プレス(Hal Press)氏は今週のツイートで「CRV/CVXの保有額が突出しているため、現時点ではFRAXが他のLSDプラットフォームよりも優位に立っている。これにより、ステーキングされたイーサリアムのデリバティブ商品で市場の他の商品よりも高い利回りを提供できる」 と述べている。
「FXSの有用性が高まる中、トレーダーのセンチメントが高まった。これらのトークンは、新たに鋳造されたFRAXとFraxによる手数料から価値を得る」とプレス氏は強気のセンチメントにも言及した。
The summary of the FXS thesis is as follows. FRAX has an advantage over other LSD platforms at the moment due to their outsized CRV/CVX treasury holdings. This allows them to stimulate higher ETH staking yield on their staked ETH derivative product than the rest of the market. https://t.co/ODdkHjxq1O
— Hal Press (@NorthRockLP) January 17, 2023カーブを理解する
Fraxの高利回りの理由を理解するためには、DEX(分散型取引所)のカーブ・ファイナンス(Curve Finance)の仕組みを知ることが不可欠だ。
資料によると、カーブは低手数料と低スリッページを維持しながら、非常に効率的にステーブルコインを交換する方法を提供している。現在カーブに展開されているプールは、中央集権型または分散型のステーブルコイン、ラップトークン(ラップビットコインなど)、またはその他のさまざまな暗号資産のバスケットによって支えられている。
カーブの預託者は、プラットフォーム上の多くのプールの1つから最大4%の年間利回りを得ることができる。
Fraxを含むカーブの流動性プールでの高い取引量は、FRAXが意図したドルペッグを保持するために貢献する。さらに、カーブはゲージ報酬と呼ばれる、流動性プロバイダーがプールを選択する報酬としてCRVを割り当て、その結果、流動性プロバイダーへのリターンがより多くなる。
「カーブAMOの長期的な影響は、Fraxがカーブ自体の大きなガバナンス参加者になる可能性があることだ」 とFraxの技術文書には書かれている。カーブは1月17日の時点で60億ドル(約7740億円)以上のトークンを保有しており、数少ない 「優良な」 DeFiプロトコルの一つだ。
上記の積み重ねによって、Fraxは現在、プラットフォーム上でイーサリアムを利用するユーザーに対して年率6%から10%を超えるリターンを提供している。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:DeFiLlama
|原文:DeFi Service Frax Finance Gains Momentum Amid Ether Staking Narrative, FXS in Focus
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