米当局CFTCによるバイナンス提訴、高額な罰金を要求される可能性も

　　米商品先物取引委員会（CFTC）は、仮想通貨取引所バイナンスをデリバティブ規制違反で提訴した。この提訴は、世界的な仮想通貨取引所がデリバティブのライセンスを申請せずに、米国の顧客にデリバティブ取引サービスを提供したとするものだ。

　　米国における提訴は多くの人を驚かせ、市場関係者や仮想通貨コミュニティの中では政治的な動きであると主張する声もある。Foxニュースのレポーター、エレノア・テレット氏は、CFTCに近い関係筋の話として、CFTCが証券取引委員会（SEC）に対して、これは証券の問題ではなく、コモディティの問題であることを示すために訴訟に踏み切ったとツイートしている。

　　than a securities one. They also say “Vegas odds” have the @SECGov rushing out a similar lawsuit against @binance as a counter.

　　— Eleanor Terrett (@EleanorTerrett) March 27, 2023

　　この訴訟は、バイナンスが規制遵守よりも商業的成功を優先させたことを非難している。バイナンスが米国の顧客基盤を増強する一方で、適用されるべき連邦法を無視したとCFTCは述べている。米国の規制当局は、バイナンスとそのCEOであるチャンポン・ジャオ氏（通称“CZ”）を、商品取引所法および管理外国企業規則に対する7つの違反で告発した。

　　規制違反の他に、この訴訟は特にバイナンスの米国での子会社であるメリットピークPeakとバイナンスUSを対象としています。CFTCは、バイナンスとその関連事業体が最終的な受益者を持つ共通企業であり、CZの直接支配下にあると主張した。

　　この訴訟において、CFTCは、バイナンスとCZに対し、登録機関での取引、商品利益の保有、デジタル資産の取引の指示など、本件で説明されている行為に関与することを禁止するよう要求している。また、CFTCはバイナンスに対し、米国人から得た取引利益、収益、給与、手数料、貸付金、手数料を返還し、違反行為に対する罰金の支払いを求めている。

　　バイナンスに対するCFTCの訴訟は、仮想通貨業界にとって大きな問題になるだろう。これは、2018年にビットフィネックスのケースを想起させるものであり、このケースではビットフィネックスは2021年に高額の罰金で和解している。

　　仮想通貨ウォッチャーのアダム・コクラン氏は、CFTCは「SECのように小さな案件を狙うことはない」と指摘する。「（CFTCは）別の獣であり、その案件はしばしば致命的である」と付け加えている。

　　コクラン氏は自身のツイッターで、CFTCが集めた証拠がバイナンスにとって致命的なものになる可能性があるとコメントした。同氏は、バイナンスは米国で争うか、法廷外で和解するかのどちらかだが、可能性としては、米国での業務停止を余儀なくされるだろうと付け加えた。