ブロックチェーンベースのゲームは、派手なトークン経済を発展させるよりも、「プレイしていて楽しい」ものになるようにもっと時間を費やすべきだと、Animoca Brandsの子会社であるゲームデベロッパーがコインテレグラフに語った。
インタビュー
ブロックチェーンベースのゲームは、派手なトークン経済を発展させるよりも、「プレイしていて楽しい」ものになるようにもっと時間を費やすべきだと、Animoca Brandsの子会社であるゲームデベロッパーがコインテレグラフに語った。
東京ゲームショウ2022でコインテレグラフとのインタビューに応じてくれたのが、オーストラリアに拠点を置くゲームデベロッパーのBlowfish Studiosにてリードコミュニティマネージャーを務めているルーク・シレー氏である。あまりにも多くのブロックチェーンゲームが、ゲームプレイそのものよりも、ゲーム内での報酬やトークン経済に重きを置いていると、シレー氏は言う。
「他の多くのブロックチェーンゲームを見ていると、それらが実際にプレイしていて楽しくないものだということが分かる。確かに、大量のトークンを稼げる可能性はあるし、大抵の場合は投資に対して良いリターンを得られる。しかし、一般的に言って、そういうゲームは大して楽しくないものではないだろうか」
こうしたゲームの多くは純粋に楽しむというよりも、稼ぐことを主目的としたシンプルなゲームモードを採用している。そのため、現時点では従来のゲームをプレイするゲーマーたちの関心を得ることに失敗しているのだと、シレー氏は言う。
DappRadarのデータによれば、アクティブなユーザー数という点において過去30日間で最も人気のあったブロックチェーンゲームは『Gameta』、『Alien Worlds』、『Solitaire Blitz』であり、それぞれ100万人、81万4000人、65万2760人のユーザーがいたという。これらの数字はこうしたブロックチェーンゲームへの高い関心を示しているが、人気のある従来のゲームと比べると見劣りする数字となっている。
ゲームはまず「プレイしていて楽しい」ものであり、見ていて魅力的に感じるものであるべきだと、シレー氏は次のように述べている。
「それがプレイしていて楽しく、見ていて魅力的に感じるゲームであるならば、人々はそれをプレイしたくなるだろう、というのが私たちの考えだ」
Blowfish Studiosはオーストラリアのゲームデベロッパーであり、21年7月に約660万ドルでAnimoca Brandsによって買収されている。買収に伴って、Animoca BrandsはBlowfish Studiosに対してWeb2からWeb3のゲーム開発へと移行するように指導している。Blowfish StudiosはNFTゲームである『Phantom Galaxies』(現在はベータ版となっている)の開発に主に取り組んでいる。
2022 Tokyo Games Show
非代替性トークン(NFT)やプレイ・トゥ・アーン(P2E)はどのようなゲームに組み込めば相性がいいかという質問に対して、シレー氏はRiot Gamesの『リーグ・オブ・レジェンド』やEpic Gamesの『フォートナイト』などを例に挙げ、こうした大人気無料ゲームにはすでにゲーム内市場が組み込まれていると回答した。
一般的に言って、こうしたタイプのゲームが根っからのゲームファンを惹きつけるのは、プレイしていて楽しく、時間をかけたゲーム体験のアップデートと改良が継続的に行われているからだと、シレー氏は述べる。これにより、人々は何年もこうしたゲームをプレイし、新しいキャラクターのスキンなどといった商品を購入するために喜んでお金を使うのだという。
「『リーグ・オブ・レジェンド』や『フォートナイト』のように、スキンなどといったアイテムを入手できるゲームを例に挙げよう。もしそうしたゲームを1~2年といった非常に長い間プレイして楽しみ、それからプレイを止めたとして、その時に得られる報酬はほとんどない。しかし、もしそれがブロックチェーンのゲームだったならば、獲得したすべての資産を売却できる可能性があるのだ」
ブロックチェーンゲームには始める際の妨げとなる要因もあり、そのせいで一部の人々にとっては近寄りにくいものとなっているかもしれないが、その敷居を低くできるのであれば、新しいユーザーを引き寄せることもできるだろうと、シレー氏は続けて述べている。
「このような全く新しいテクノロジーについて学ぼうとしたり、ウォレットを作成しようとしたりすることはとても気が遠くなるものだ。また、ブロックチェーンには全く異なる意味を持つ用語もたくさんある」とシレー氏は言う。
Sega Booth: Tokyo Games Show
『Phantom Galaxies』はオープンワールドでロボットに搭乗するシューターゲームであり、22年の第四四半期には公式なアーリーアクセスが開始される予定だ。OpenSeaによれば、ゲーム内のNFTにはすでに大きな需要があり、同ゲームの「オリジン・コレクション」には51万7000人を超える所有者がいるという。また、同ゲームのプロジェクトはNFTのプライベートセールを5月に行っており、約1930万ドルを売り上げている。
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