WSJ：暗号通貨分野にインサイダー取引の存在を発見

　　ウォールストリート・ジャーナル（Wall Street Journal, WSJ）の報道によると、資産管理会社であるArgusの分析レポートで、一部の暗号通貨投資家が、インサイダー情報から利益を得ていることを明らかにした。

　　このレポートは既存の公開データに基づいて作成されている。いくつかのウォレットにおいて、上場前にトークンを購入し、上場直後に売却するといった取引が確認された。このような行為は、Binance、Coinbase、FTXなど、主要な取引所でよく見られている。

　　ブロックチェーンのデータを調査すると、あるウォレットはGnosisコインが上場する前の6日間に360,000ドル相当のGnosisを既に保有していた。Binanceは7日目にGnosisを上場することを発表し、その価格は7倍以上まで上昇した。このウォレットはBinanceが上場告知を発表した4分後にトークンを売却し始め、24時間以内にすべてのコインを売却し、50万ドルの利益を得た。レポートによると、このウォレットは同様の取引を数回を行っている。

　　今回Argusは、所有者不明の46個のウォレットが上記のような取引を行っていることを発見した。これらのウォレットには合計1,730万ドル相当の暗号通貨が保管されており、推定利益は既に170万ドルを超えていると見られる。しかし、これらのウォレットは、トークンを実際に取引しておらず、確認できるのはトークンの取引所への送金行為のみである。

　　この分析は、暗号通貨分野におけるインサイダー取引について、再び人々の注目をあつめさせた。規制当局は、このような行為が市場にどのような影響を及ぼすかについて検討しているが、具体的な行動はなだ何も取れていない。BinanceとFTXは、今回のレポートの内容を否定する声明を発表した。「コンプライアンスポリシーにより、従業員の特権的な情報に基づいた取引は禁止している」と述べた。

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