調査レポート「暗号通貨、ブロックチェーンと国境を越えた決済」

　　過去数年間、金融業界や小売業界の暗号通貨採用率は上昇している。しかし実際には、想定されていたよりも採用率の伸びは小さいようだ。最近の調査によると、金融業界の機関が提供している暗号通貨での国境を越えたB2B決済サービスは特に普及率が伸び悩んでいる状況だ。

　　最近、「暗号通貨、ブロックチェーンと国境を越えた決済」という調査レポートが発表された。約250社の金融機関と250社の多国籍企業を分析した調査レポートである。調査によると、調査対象の金融機関のうち、B to B（Business-to-business）シーンに暗号通貨決済サービスを提供している会社はわずか10.2％である。その中の、6％の金融機関はビットコインの決済サービスを提供しており、ステーブルコイン、ビットコインキャッシュ（BCH）、イーサリアム（ETH）がそれぞれ4％を占めている。 ステーブルコインを好む企業のほとんどは、2億5000万ドルから10億ドル間規模の企業である。

　　一方の多国籍企業サイドの調査では、58％の会社が少なくとも1つの暗号通貨を決済手段として使用している。また、その他の19％の会社も暗号通貨決済の導入を検討しているとされている。

　　レポートでは、会社の事業規模拡大に伴い、暗号通貨を採用する傾向が高まっていることを指摘している。

　　年間収益が10億米ドル以上の企業では、81％の企業が少なくとも1つの暗号通貨を使用しているが、年間収益が1,000万米ドルから4,900万米ドルの企業の採用率はわずか8％である。

　　また、これらの企業は共通点がある。現在暗号通貨Topのビットコイン（BTC）を好む傾向があるという点だ。どんな規模の企業であっても、ビットコインは最も採用率が高い暗号通貨である。市場価値の高い企業の中で、46％がビットコインを使用し、37％がイーサリアム（ETH）を使用している。

　　これらの調査結果は悲観的と見なされるかもしれないが、暗号通貨の決済へのニーズはB2B企業を中心に拡大している。「国境を越えた暗号通貨決済を受け入れる企業に関する調査」によると、B2B企業の暗号通貨決済導入についてインタビューされた米国の財務および会計の専門家の59％は、「暗号通貨の決済を受け入れない。ただ2％の回答者が支持し、他の39％が将来暗号通貨を受け入れる」と考えている。

　　逆に、業界の多くの人々は、クレジット/デビットカード等、従来の決済手段を好んでいる。その理由には、暗号資産取引の利便性の欠如、及び手数料と顧客のニーズに関連する問題が含まれていることが原因だと考えられる。

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